エクスプローラと Internet Explorer はお互いに別々の道を歩んで行くわけですが、ある時転機が訪れます。Windows 98 に入っている Internet Explorer のバージョン 4.0 が、シェルのエクスプローラを飲み込んだというか、ほとんど OS の一部になってしまったのです。結婚おめでとう、って感じです。おかげでますますエクスプローラと Internet Explorer の区別がつきにくくなってしまったわけで、テレビや雑誌などで Internet Explorer をエクスプローラ
と解説することも多くなったのです。
ライバルのネットスケープもただ指をくわえて眺めていたわけでなく、Netscape 6 で中身を一から作り直したり、マイクロソフトに対抗していたわけですよ。そこで採用されたのが現在ではメジャーな地位を占めている (と思われる) Mozilla Firefox の中身である Gecko (ゲッコ) だったりします。
世界一軽くて速い
という謳い文句で登場した Opera というノルウェー産の Web ブラウザが話題になったこともあるのですが、普段 Internet Explorer しか知らず、そればかり使っている大半の Windows 利用者にはそんなの関係ないのです。飛びつくのは反マイクロソフトを意識している一部の人間と、インターネットはこうでなくては! という、言わば Web 原理主義の人たち。俗にいう W3C 信者などですね。あとは、新し物好きとか開拓者精神を持った人たち (笑)。
マイクロソフトが Internet Explorer で Web 業界に大きな変化をもたらしたのですが、例えばどんな変化かというと、世の中に中途半端な HTML が氾濫したということ。Internet Explorer で表示できればいいという考えが一般化したためです。そもそも Internet Explorer は他の Web ブラウザに比べて CSS の解釈などが特異な上、それでしか表示確認しない Web サイトの管理人が多いのですから、Netscape や Opera でまともに表示されなくても仕方がありません。
他の Web ブラウザが W3C の規格に基づいて作られているのに対し、Internet Explorer はマイクロソフトが独自に採用し、それを既成事実として W3C に圧力をかけているような状態。だから、Firefox が変
とかいう前に Internet Explorer の特異な仕様を疑うべきだったり。というか、マイクロソフトのソフトウェアには特異な仕様
が多すぎます……。
というわけで、マイクロソフトの独自仕様への対応に疲れてしまったり、開発理念に共感したりで、自分は Firefox を使っています。
そして、エクスプローラはローカル (ネットワーク越しでないお手元のコンピュータ) のファイルを表示するためのプログラムです。