哀れな object 要素

HTML にて画像を表示するための要素は img だけではないのです。いろいろなものを貼り付けることができる object という要素があるのです。おもに Flash を貼り付けるために使われることが多いですね。あとは、動画や音楽のファイルを貼り付けたり。とにかく、コンピュータで扱えるファイルなら、どんなものでも貼り付けられるのが object 要素なのです。HTML 4.0 から使えるようになっています。

この object 要素、画像の貼り付けにしか使えない img 要素と比べて汎用性が高いので将来を期待されていたのですが、Flash や JavaScript など、いろいろなものを扱えるゆえに、それが他社の権利を侵してしまう危険性があったり、ブラウザのセキュリティー的にも危険があったりで、全世界の大半の人が使っていると思われるマイクロソフトのメジャーなブラウザ、それも割と新しいほうのバージョンでは object 要素、applet 要素、embed 要素は危険視されているみたいです。

具体的にどういう扱いを受けているかというと、それらの要素が使われているページを開くと、まず警告のウィンドウが出て Active X を実行しますか? というような質問をされるわけなのです。それが object 要素で画像を貼り付けているだけのページでも、です。Active X を使っているつもりは毛頭 (もうとう) ないのですが、Active X を扱うことができるそのブラウザでは object 要素は Active X のための要素だと考えられているようです。

個人的には空要素である img 要素はそろそろ廃止し、object 要素への全面的な移行を考えていたのですが、世界シェア 1 位のブラウザがこのような扱いをする以上、移行は断念せざるを得ませんね。

object 要素が img 要素に取って代わるのはいつの日なのでしょうか。